(24年7-9月)中国インバウンド消費動向まとめ
<目次>
2024年7~9月の訪日客数と消費状況
日本政府観光局(JNTO)から10月の訪日客数の速報が発表されました。10 月の訪⽇外客数は、3,312,000 人で、前年同月⽐では 31.6%増、2019 年同月⽐では 32.7% 増と、過去最高であった 2024 年 7 月の 3,292,602 人を上回り、単月過去最高を記録した。ま た、10 月までの累計は 30,192,600 人となり、1964 年の統計開始以来、過去最速で 3,000 万 人を突破しました。中国は、582,800 人(前年同月比 127.3%増)であった。地方路線を含む増便や国慶節等の影 響もあり、訪日外客数は前年同月を上回った。
また観光庁から【2024年7-9月期インバウンド消費動向調査】が発表されました。2024年7-9月期の訪日外国人旅行消費額は1兆9,480億円(2023年同期比41.1%増、2019年同期比64.8%増)と推計される。国籍・地域別では、中国が5,177億円(構成比26.6%)と最も大きく、次いで台湾2,844億円(同14.6%)、韓国2,285億円(同11.7%)、米国1,860億円(同9.5%)、香港1,677億円(同8.6%)の順となりました。
日本メーカーが注目する買物代だけにフォーカスすると、中国は1,976億円と圧倒的に首位で中国人観光客の買物意欲の高さが確認できました。
2019年と変化した中国人訪日客の買物動向
一人当たりの買物代も99,304円と他国、地域と比較して最も高い結果となった中国ですが、コロナ前の2019年と比較すると中国人観光客の買物動向の変化を確認できます。
コロナ前は「爆買い」という言葉に象徴されるように、化粧品や医薬品を多くの訪日中国人客は購入していたことがわかります。一方で2024年はこのカテゴリーの構成比が大きく下がっていることが確認できます。また、宝石・貴金属の購入単価が2024年は大きく跳ね上がっていることも確認できます。
また、日本政府も中国人観光客のターゲットを20代〜40代の訪日経験者と富裕層に限定しています。この取組は狙いどおり作用しているようです。ターゲットである訪日経験者の多くは既に整備された越境ECで日本の商品を手軽に購入することが可能です、その為、日用品をまとめて購入する必要もなくなっています。また、富裕層は為替の影響も後押しする形で高級品を購入しています。
2019年の為替レートで人民元に換算すると、買物代の平均値は7018人民元。2024年は4,585人民元になります。この事からもわかるようにコロナ前の2019年と比べ買物は過熱しているとは言えないと思います。
日本政府がターゲットとする訪日中国客の分類↓
日本メーカーの今後の中国戦略に関して
このような状況下で日本メーカーの今後の中国戦略はどのように考えればよいでしょうか?
下記に今後の戦略をまとめておきます。
①プロモーションは訪日買物コンテンツを利用してエンゲージメントが高い配信を行う。
┗訪日買物コンテンツは中国国内では差別化でき小紅書(RED)を中心に効率が高い配信が行えます。商品自体のPRと合わせて日本からのコンテンツを混ぜて配信する。
②淘宝(タオバオ)を中心とした越境ECプラットフォームへ配荷を早めに行う
┗インバウンド消費と越境ECの関係性は以前に言及したとおり、高い関連性を持っていますが、中国国内では越境ECの仕組みが整備され購入ハードルが下がっているため早めに越境EC展開を開始する。
下記資料は「中国インバウンド消費対策」の資料になります。是非参考にしてみてください。
↓【参考データリンク】